特許検索ツールについて

2018.11.09

 

こんにちは、代表の大野です。

 

ベンチャー企業やスタートアップ企業において、

特許というのはあまり馴染みが薄いかもしれませんが、

 

日本のベンチャー界隈では、

アメリカに比べると、知財戦略の意識はそこまで高くないようです。

 

高くないというか、

意識を高く持っていなくても、そこまでひどいことになったケースが

多くない、というのが正確なところでしょうか。

 

アメリカでは一時期流行した(いまも?)

パテントトロールという悪いやつらがいました。

 

パテントトロールとは、

自分たちで、特許を使いもしないのに、

第三者から買いまくって買いまくって、

 

その買い集めた特許の中から、

特許侵害している企業に向けて、

 

巨額の賠償金やライセンス料を請求する

ハチキューサンな方々や会社のことです。

 

 

iPhoneでおなじみApple社も、

パテントトロールにやられたといいますし

 

アメリカではこういったことが多いようでして

 

痛い目にあうことが身近に思えるからこそ、

知財戦略、特許の意識が高いのかもしれません。

 

日本では、アメリカほどではないので

特許を踏んでいても(特許を侵害していることを「特許を踏む」と言います)、

 

権利者側も、使用者側も気づかないケースも多いので

 

「特許なんて難しいこと考えずにとりあえず事業進めちゃおー!」

 

 

 

というノリが一般的に思えます。

 

しかし、国内でも特許訴訟がないかといえば

そんなことはありませんし、

 

任天堂社から、コロプラ社へといった

大手企業からベンチャー企業への

巨額の訴訟も発生しています。

 

そのため、日本国内のベンチャーだからといって

自社独自のサービス・製品を手がける場合は

特許まわりは気にしておきたいところですよね?

 

ということで、多少前振りが長くなってしまいましたが、

今日は、競合特許がどんなのがあるのか調べたい

 

といった時に、使える

特許検索サービスをご紹介したいと思います。

 

検索していただければわかると思いますが、

特許データベースサービスは、現在多くのものが出ていますので

基本的に、無料のものを集めてみました。

 

 

| J-PlatPat

 

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

 

特許庁および独立行政法人工業所有権情報・研修館が運営する、特許情報提供サービスです。

「特許情報プラットフォーム(Japan Platform for Patent Information)」の略だそうです。

 

いわゆる特許公報のWEB上の図書館といった立ち位置で、

日本の特許庁より公開されたもので、ここにないものはないでしょう。

 

そういった信頼性のあるサービスなので、

弁理士の方々もまずここを見に行くのではないでしょうか?

 

ある一つの特許を調べる際に、

民間系の特許検索サービスなどでは、

 

「特許権利維持」

 

と記載されている特許であっても、

 

J-PlatPatで同じ特許を見に行くと、

ここ数ヶ月の間に権利放棄されて、

 

パブリックドメインになっていた

 

といったことなどもザラにあるので

情報鮮度としても、信頼が高いです。

 

また審査や経過情報なども見れるため、

「まずはここ!」、といってもよい特許情報提供サービスでしょう。

 

 

| astamuse

 

https://astamuse.com/

 

個人的に一番好きな特許検索サイトです。

個人的に一番よく使わせていただいています。

 

情報のまとまり方と、検索のしやすさが強みでしょうか?

 

それから、特許の情報取得を一括でバーっとやりたいとき、

astamuseさんだと、URLの構造がシンプルなので、

自身でクローラーを開発して、クローリングしやすいのも特徴です。

 

<公開済特許のURL構造>

https://astamuse.com/ja/published/JP/No/[公開番号]

 

<登録済特許のURL構造>

https://astamuse.com/ja/granted/JP/No/[特許登録番号]

 

クローリングもちゃんと時間おいて、クローリングしないと

astamuseさんのサーバーにご迷惑となりますので、

控えめにほどほどに。。

 

 

| Google Patents

https://patents.google.com/

 

Googleに特許検索サービスなんてあったのか!

という方々もいるかもしれませんが、

 

研究者にとって、Google PatentsとGoogle Scolarは

いまやもう必須ツールになります。

 

Google Patentsは海外特許を調べられるのはもちろんのこと

調べた特許と同等の海外特許をあわせて表示してくれます。

 

なので、米国で出願された特許を見つけて

日本国内にも出願された同じ内容のものがあれば、

先にそっちで日本語から読解することが可能なんです。

 

あとは、この特許は他にどの国に出願されてるのか

確認するのもよいでしょう。

 

 

| Patent Scope

 

https://patentscope2.wipo.int/search/ja/search.jsf

 

WIPOとは、「World Intellectual Property Organization」の略で

世界知的所有権機関、いわゆる国際特許庁みたいなものとお考えいただければと思います。

 

J-PlatPatの国際版みたいなもので、信頼度は高いサイト。

 

 

以上です。

 

今回は、特許の探し方についての紹介をさせていただきましたが

特許を探したはいいものの、

今度は、難しい文言で書かれている特許公報の読解で

心折れる方々もいると思うので、

 

そのあたりの読み解き方は、

また次回以降紹介していきたいと思います。

 

それでは、また。

 

 


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