『広報木本のネタ探し~ネタその12~』 静かなる美しさ。「無音」の音楽まとめ。

2019.02.20

月

 

 

 

音を楽しむと書いて音楽。楽器や歌がおりなすメロディは

いつの時代も人々の心を楽しませてきました。

 

しかし、世の中には、「無音」の音楽があることをご存知でしょうか。

それも、一つや二つじゃありません。

 

「無音」で、かつ「音楽」という、一見矛盾しているような組み合わせ。

一体どんな作品がどんな思いで作られたのでしょうか。

 

 

 

ジョン・ケージ『4分33秒』

 

音符のない楽譜

 

 

無音の音楽で最も有名な曲(?)がこの曲。

 

1952年に初演されました。全部で3つの楽章からなる曲です。
といっても書かれているのは”休み”のみ。

 

奏者はステージ上に上がりはするものの、一切演奏することはありません。
ただただ音をならさずに「休み」続けるだけです。

4分33秒が経過したら、ステージを降りるだけ。

 

 

おや、これなら俺でも演奏できる・・・?w

 

 

このあまりに前衛的すぎる曲。

 

 

どうやら、聞いている聴衆の衣擦れの音や空気中にわずかに響く雑音をそのまま
「音楽」として捉えてみようじゃないかという問いが込められているのだそう。

 

「音楽」というものそのものに対して改めて考えさせるきっかけを世間に与えました。

 

 

なんでも

 

「私が死ぬまで音があるだろう。それらの音は私の死後も続くだろう。
だから音楽の将来を恐れる必要はない」
[3]と強い印象を受けて「無音の不可能性」をみた”

 

のだそう。

 

 

何をおっしゃっているのか、木本には・・・?

 

 

たしかに、空気中の振動が全く0になるということは起こらない気もします。

そう考えると、日常生活を送る中で我々は常に音楽のなかにいるともいえるのではないでしょうか。

 

なお、JASRACは4分33秒沈黙していても著作権の侵害にはあたらないと判断しています。

 

 

当たり前だ!

 

 

 

 

シュールホフの『5つのピトレスケ』

 

 

5つのピトレスケ

 

 

これもまた無音の作品。

 

時代的には4分33秒よりも早く1920年代に書かれたとされています。

この曲にはちゃんと意味があります。

 

第一次世界対戦真っ只中の当時、シュールホフは戦争の無意味さを訴えるために、
無意味な音楽をつくったと言われています。そうやって聞くとかっこいいですね。

 

この「無意味」を表現する、という芸術活動の一連は「ダダイズム」と呼ばれます。

 

みなさんも、仕事をさぼっているところを上司に見つかってしまったらこう切り返しましょう。

 

「部長・・・自分・・・ダダイズムの体現者なので・・・!」と。

 

きっと怒られること請け合いです。

 

 

 

 

 

アルフォンス・アレー『耳の不自由なある偉人の葬儀のために作曲された葬送行進曲』

 

 

葬送行進曲

 

 

これもシュールホフと同時期の作品。アレーはフランスの作家です。

当時、英国的だ!とされていたブラックユーモアをフランスに受け入れさせた人物だそうです。

 

この「無音」は英国的なブラックジョークなのでしょうか。

そして、フランスの人は「ナイスブラックユーモア!」といってこの曲を受け入れたのでしょうか。

 

 

・・・・きっとこの曲ではないと信じたいです。

 

 

でも、曲のタイトルはなんとなく皮肉的で僕は好きですね。

 

なお、彼は、

 

「貧乏のいいところは泥棒の恐れがないことだ。」

 

という名言を残しています。なんじゃそりゃ。意味は分かるけど。

 

 

 

 

 

マルコ・ファロッシ『音の肖像9月11日』

 

 

音の肖像9月11日

 

 

続いてはイタリアから。

マルコは作曲家であると同時にピアニストでもあります。

 

この曲は2001年に発表されました。

 

2001年9月11日といえば、アメリカ同時多発テロが起きた日として有名ですね。

 

この楽譜をよく見ると、休符が2列に縦に並んでいることが分かります。

これがワールド・トレード・センターを模していることは明白ですね。

 

マルコは、このテロによってその被害者に黙祷を捧げていると言われています。

ちゃんと意味が込められているんですね。

 

 

 

「音の肖像」は実はシリーズです。マルコは、他にも音符を使って絵を描いた作品を世に送り出しています。

 

 

 

これが何か分かりますか?

 

 

 

音の肖像

 

 

答えは、「モーツァルトの横顔」です。

 

 

 

 

サリル・メズラヒィ『A a a a a Very Good Song』

 

 

AaaaaVeryGoodSong

 

 

楽譜は見つかりませんでした。

 

この曲が発表されたのは割と最近で2017年にリリースされています。

約10分間の無音で、最後の方に「そろそろ次の曲だ」といった男性の話し声が入っています。

 

この曲は2017年にiTunes storeで大ヒットしました!

 

理由はこの曲の狙いにあります。

 

多くのカーステレオは、iphoneに自動接続し、「アルファベット順にライブラリを再生する」
という特徴があります。

 

すると、大切なパートナーとの旅行の際に、意図していなかった音楽が流れてしまって
気まずい思いをするという恐れがあります。

 

しかし!

この曲をダウンロードしていれば安心!

最初の10分間はあなたが流したくない曲が流れてしまうことはありません。

 

なぜなら、この曲の曲名は「A a a a a 」から始まるからです!

絶対にこの曲から流れ始めます!

 

この粋な思いやりがアメリカ人のハートをつかみ大ヒットしたのだそう。

 

10分もあれば、好きな曲を安心して探せますね。

サンキューサリル!

 

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いかがでしたでしょうか。

 

まず、無音の音楽がたくさんあることが面白いですよね。

 

そして、どの無音の音楽にもそれぞれ別の意味があるのも調べていて興味深かったです。

 

今度、今日紹介した曲のどれかを本気で演奏するので、

どの曲を演奏したか当ててみてくださいね!

 

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 


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