日本古来のロゴデザイン「家紋」を知ろう!
2019.01.28
スワブロをご覧いただきありがとうございます。
スワローのデザイン&マーケティングを担当している「ちゃんゆか」です。
突然ですが、あなたはご自分のおウチの「家紋」って知っていますか?
わたしは「時代劇好き」から派生して「家紋好き」なので知っているのですが、
知らない方って結構多いというか…~30代くらいはほとんど知らない気がします。
それもそのはず。
「家紋」は、現代において目にする機会が非常に少ないからです。
そもそも「家紋」は、平安時代に貴族たちが自分の家や自分の物に
目印として「家固有の紋様」を使用するようになったことが始まりと言われています。
その後、武家の「旗印」として、そして庶民へとたちまち広がっていったわけですが、
武士が姿を消すと同時に「家紋」を使うことは徐々に減っていき、
戦争も終わる頃にはその傾向はより強くなり、人々の「家紋」への関心はどんどん薄れていったのです。
そんな現代において、わたしたちが「家紋」を目にするであろう身近な用途としては、
————————————
①家に家紋をあしらう
②持ち物に目印として入れる
③墓石に入れる
————————————
の3つくらいです。
③墓石であれば、目にする機会がまだあると思いますが、
家を新築した際に「家紋」を採用していなかったり、
嫁入り道具として「紋付きのお着物」を作らなくなってきた現代においては、
「え?うちの家紋?普通に知ってるよ」なんてことは少ない訳ですね。
ちなみに、みなさんよくご存知であろうこちらのモノグラム↓
そうです、「LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)」です。
ルイ・ヴィトンと言えば、この「LVの文字」と「花と星」をあしらったこのモノグラムが有名ですが
これは「日本の家紋」をヒントに作られたという話がわたしの中では結構有名です。
1867年、日本でいうと徳川家康が大政奉還を申し出た年に、おフランスはパリで開かれた「パリ万国博覧会」に、日本が出品していた「家紋入りの品」からヒントを得たそう。
なんだか歴史あってすごいお話ですよね。
おやおや?なんだか少しくらい「家紋」に興味が出てきましたか?
それでは、ちゃんゆかによるちゃんゆかのための(え?)
「家紋コレクション」をご覧いただきましょう。
■有名どころの家紋3つ
それでは、有名どころの家紋を3つほどご紹介しましょう。(ちゃんゆか基準)
家紋といえば、まずはこちら。
①「三つ葵(みつあおい)」
こちらは江戸時代に徳川家が使用していた家紋で、徳川家固有のものは「徳川葵」とも。
「暴れん坊将軍」や、「水戸黄門」の印籠などでおなじみですね。(おなじみなのか?)
分類では、植物をモチーフにした「植物紋」になります。
ちなみにこちら、将軍家と御三家以外の使用が禁止されていたので、
この家紋のおウチの人がいたら、いいとこのおウチの人と思って間違いないです。(言い切った)
お次はこちら。
②「六文銭」
少し前になりますが、大河ドラマ「真田丸」でめっちゃ多用されていたので、
真田家の家紋が「六文銭」であることは、有名かと思います。
(正確には家紋か旗印か区別が難しいのだけれど…)
分類では、「銭紋(ぜにもん)」になりますね。
「六文銭」は三途の川の渡し賃だから、
「いつ死んでも良い心の準備をした」という意思表明なのだそう。
おぉぉ、かっこいい。。。実はこのエピソードを紹介したかっただけです。(自己満)
そして最後はこちら。
③「下り藤(さがりふじ)」
あれ?どっかで見たことあるなこの家紋。。
なんだっけ?どこだっけ???
ジャジャーン!!!
そうです、龍角散のど飴です。
龍角散は、江戸時代に「藤井家」という藩医が、藩薬として開発したものが始まりだそう。
「藤井」には「藤」が入っていますので、「下がり藤」を家紋としていたのでしょうね。
ちなみに分類では、「植物紋」になります。
ちゃんゆかはなぜだか「龍角散のど飴」を食べたことがなくってですね、
昨年11月にすごい風邪をこじらせ、声さながら桃井かおりの時に、
むったん(六崎)がおすすめしてくれて、初めていただきました。
のど飴なんて「気休め~(IKKO風)」と思っていましたが、
なかなかどうして、舐めている間は本当に桃井かおりが落ち着いたのです。
それ以来、ちゃんゆか愛用のど飴に認定しています。
■家紋を企業ロゴに採用している「三井物産」
現代においても、コーポレートシンボルに「家紋」を採用している企業があります。
それは、「三井物産」さん。(さんさん…)
引用:三井物産HP (https://www.mitsui.com/jp/ja/)
「丸に井桁三(まるにいげたみつ)」
三井家の家祖である三井高利氏が、なんと「天和元年(1681)」頃に、越後屋の暖簾に使用したのが始まりだそう。
歴史凄すぎですね。
丸は天、井桁は地、三は人を意味し、「天地人」の三才を表しているのだとか。
何それ、めっちゃかっこいい。。。
そして現在のロゴは、三井物産のブランディングをトータル・プロデュースしている
かの有名なデザイナー「佐藤可士和氏」が手がけたものとなっています。
何それ、さすがすぎる。。。
こちらの「家紋」は、分類で言うと「文字紋」になり、
「井桁」と言う菱形の部分は、「井」を表していますので
「井上さん」や「土井さん」など、苗字に「井」のつく家に多い家紋となります。
■家紋に見るロゴデザインの極意
ここまで読んでいただいたあなたには感じ取れることと思いますが、
「家紋」は「ロゴデザイン」として非常に優れています。
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・シンプルで伝わりやすい
・ルーツがわかる
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本当、これに尽きますね。
現代においては、印刷技術の発展で「フルカラー印刷」がとてもリーズナブルになったので
あえて「二色印刷」を採用するシーンは少なく、またWEBの発展もあり「カラフルなロゴ」も多いですが、
やはりパッと見で覚えてもらいやすいのは、シンプルな図柄とシンプルな配色の「昔ながらのロゴ」だったりしますよね。
わたしもロゴデザインをする機会があるので、
日本の文化である「家紋」をお手本に、優れたデザインを生み出したいと思います。
■ちゃんゆかの好きな「家紋5」
それでは締めに、ちゃんゆかの好きな家紋を5つご紹介したいと思います。
ラストスパートですよ!これであなたも「家紋Lover」!
①「九曜(くよう)」
これは好きな家紋というか、ちゃんゆかの家「飯島」の家紋でございます。
分類で言うと、「自然紋」の中の「月星紋」にあたり、
岡田君(V6)が演じた「石田三成」の家紋でもありますね。
太陽(日)・月・火・水星・木星・金星・土星・計都・羅睺の「九星」をモチーフにしており
夜空に輝く「光の力」を取り入れるために、信仰的・尚美的意義をもって用いられた紋とのこと。
茨城県には水戸市に「飯島町」と言う町があり、同じく茨城県の鉾田市には「飯島」と言う地名があります。
そのせいか「飯島」と言う苗字は、茨城県に1番多く分布しているらしい。(ちゃんゆか父談←本当かw)
ちなみに、平家由来の飯島さんは「三つ柏」、源氏由来の飯島さんは「九曜」の家紋をよく使うので、
「飯島さん」に会ったら「家紋」をきけば系統がわかるかも。
その際は、発音が「Come on」にならないように注意です。(どうしても言いたかった)
②「木瓜(もっこう)」
お次は、「植物紋」に分類される、木瓜をモチーフにした「家紋」です。
割とよく見かける家紋なのですが、
ちゃんゆかは、このデザインは「家紋」の中で、
1番美しくて均整のとれたデザインだと惚れ込んでいます。
ちょっぴり「唐」などの異国っぽさも感じて、
独特の雰囲気をまとっているような…
ちなみに、ちゃんゆかの母の旧姓である「加藤家」はこの木瓜を丸で囲んだ「丸に木瓜紋」でした。
お墓に入っているの、素敵なんです。(ふふふ…)
③「揚羽蝶(あげはちょう)」
こちらは、「動物紋」の中の「蝶紋」に分類される「家紋」です。
平家が好んで使っていたと言うこの「蝶紋」、
ちゃんゆか憧れの「家紋」でございます。
まず「動物紋」自体、家紋の中では少ない分類で希少なのですが、
左右対称が多い「家紋デザイン」において、非左右対称が多いのが「蝶紋シリーズ」。
中でもこの「揚羽蝶」は、「蝶紋」の中でもひときわ華美で、大変ちゃんゆか好みであります。
てふてふいとおかし。
そして、今見ると羽根の中の模様がさながら「Wi-Fi」。
優れたデザインは古さを感じさせませんね。
④「加賀梅鉢(かがうめばち)」
こよなく「梅」を愛したとされる学問の神様「菅原道真」の代表紋であり、天満宮の「神紋」ともされる「家紋」です。
そろそろあなたもお分かりのとおり、こちらは「植物紋」に分類されます。
梅をモチーフにしたと一目でわかる、なんとも愛らしく可愛いデザインですよね。
道真を祀った神社は全国にありますが、ほとんどがこの「梅の紋」を使用しているので、
そんな神社に訪れる機会があれば、是非チェックしてみてください。
⑤「三つ藤巴(みつふじともえ)」
これが今シリーズ最後の紹介となる「家紋」、「三つ藤巴」です。
何を隠そう、ちゃんゆかが愛してやまない時代劇「鬼平犯科帳」の
「鬼の平蔵」こと「長谷川 平蔵(宣以)」の「家紋」でございます。
(これまた岡田君が演じた「黒田官兵衛」もこの家紋)
世情は乱れ犯罪が凶悪化していた天明3年(1783)、
悪人を取り締まる「火付盗賊改」の長官となったのが「長谷川 平蔵」です。
この平蔵がですね、捕物に際して被る「陣笠」の「三つ藤巴」が
まぁーーーかっこいいのなんのって!!!(興奮)
引用:フジテレビ(https://www.fujitv.co.jp/onihei/index.html)
上の画像にもあるとおり、池波正太郎原作×歌舞伎俳優の中村吉右衛門が主役を務める「鬼平犯科帳(ドラマ)」は、2016年12月2日・3日のスペシャル番組をもって、多くのファンに惜しまれつつも28年の歴史に幕を下ろしました。
なんとちゃんゆか、鬼平が終わるのがショックすぎて
このラスト2つのスペシャル番組を録画したまま、未だに観られていません。。。
観てしまったら、終わってしまうのかと、超絶悲しすぎて無理ぽです。(ガチな人)
時代劇なのに、エンディングに採用されているのは「ジプシーキングス」の「インスピレイション」。
哀愁たっぷりに、さもむせび泣くかのような切ないラテンギターの音色が、
バックに流れる「江戸の春夏秋冬」の風景に見事にハマっていて、
それはもう、「鬼平犯科帳」という「人間ドラマ」の余韻にこれ以上ないくらい浸れるのです。
終わりに
平安時代に始まった「家紋」は、日本におけるロゴデザインのルーツとも言われています。
この記事を読んでくださったあなたも、是非ご自分のおウチの「家紋」をチェックしてみてください。
今まで知らなかった、あなたのおウチのルーツもわかるかもしれませんよ。
それではまた次回!
「人の一生なぞというものは、まことに他愛のないものよ」 By鬼のゆか蔵
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